クラウドファンディング雑感

簡単に言葉の定義と事例

クラウドファンディングとはお金の集め方の一手法である。ここで言うクラウドはクラウドコンピューティングのクラウド (Cloud) ではなく群集 (Crowd) だ。カンパ、に近い。集めたお金がどうなるかで3つに分類できる。

  1. 融資
  2. 出資
  3. お金以外

(1) どちらかというとマイクロファイナンスとかソーシャルレンディングと呼ばれ、日本語のWikipediaもあるしベイエリアでもIT業界以外の人にはクラウドファンディングよりマイクロファイナンスの方が知名度が高いようだ。(サンプル数の少ない体感だが)

Kivaは2500円1口で途上国の起業家に無利子融資できる。2009年11月に融資額は1億ドル (約100億円) を超えている。例えば私は、カンボジアの同い年のメカニックに$25貸している。部品や何やを買うのにバイクが必要で、$1,100 を38人が出し合った。彼は毎月$62返済してくれている。残念ながら彼から直接メッセージが来たりはしないが、写真とおそらく誰かが代わりに書いたプロフィールが読める。

(2) は

などの例がある。

(3) は寄付のように見返りが求められない場合と、明確な対価がある場合とある。

3つとも目標額を設定してプロジェクトを登録するが、KickStarterのみ、到達しないと全額返金される。Kickstarterはアートに関連するプロジェクトを扱っており、各プロジェクトはビデオを用意し、金額とそれに応じた対価を載せる。例えば千円でCD、2千円でサイン付き、5万円でCD+あなたの家でコンサート、といった具合だ。ある種の受注生産の仕組みとも言えるが、高額の対価もよく売れている。

クラウドファンディングは新しい単語で、新しい手法を指すので、PayPalの Donateボタンを貼りつけている既存のサイト、オープンソースのコミュニティなど、をクラウドファンディングしている、とは呼ばない。

寄付との境目は微妙なところだ。お金を集めている側が非営利だと、何も改めて新しい名前を付けなくても単に一工夫された寄付、と言えなくもない。

バザリングはフェアトレードの商品や、何かを買うとその売上の一部が慈善団体へ、というのをウェブでやっている例。グルーポン的な雰囲気もある。

英国発で日本にも展開しているJustGiving Japanは、応援される人に直接お金がいくわけではないので少し毛色が違う。チャリティーコンサート、あるいは24時間テレビのよう。

共通するのは、

  • インターネットを通じて不特定多数から少額ずつ集金している
  • お金を払うモチベーションの作り方に一工夫ある

雑感

少し立ち返って、人は何にお金を使うのか。

ああ買ってよかった、と思う買物はある。収入の1%、月に数千円といったところ、を意図的にそういった満足感を求めて使うのはどうだろう。

らばQ:「車椅子が買えません…」目が離せなくなる展開となった掲示板のやりとり

例えばこの記事でお金を使った人は気持良く払ったことだろうと思う。

そもそもインターネットの最大の強みは、人と人をつなぐコストを最小化できることにある、と考えている。

既存の寄付、特に大手の慈善団体への寄付の面白くない点は自分の払ったお金がいったい何に使われるのか、よくわからないところにある。米国のスーパーではレジで寄付しないか、とよく聞かれるが団体名を聞いてもよくわからないし払いっぱなしでそれっきりだ。もちろん、大手の信頼感はあるので、何かしら慈善事業に使われたことで満足するという手もある。私は小うるさい質なので、少額であってももうちょっと知りたい。この人がこれに使う、というところまでわかる方が面白くないだろうか。お金が必要な人と払える人の1対1のマッチングはインターネットならではだ。そして払う側としては気持良く払えるのが一番である。

以下が私の考えるクラウドファンディングの特徴。

  • 1対1 = 透明性
  • 強い参加意識 = ファン

逆に考えられる弱みは、

  • 企業が創業時からいきなり株式公開すると説明責任が負担になるのと同じことが起きる可能性がある
  • ファンを獲得できるほどのプロジェクトが、多人数から資金調達するコストと調達できる額、別の手段で資金を得るコストを天秤にかけたときにクラウドファンディングを選ぶか

Kickstarter は対価として物が届く点、Kiva は Kiva自体は非営利であり融資なのでお金は戻ってくる点が払う側の障壁を下げているようだ。

意図的に気持良くお金を払うのは簡単ではないと思う。熱心なファンになれるようなプロジェクトがそこらにたくさんあるとも思えない。しかしある意味では夢を買うように、アーティストのちょっと高いTシャツを買うように、ファンであることを表明しつつお金を払う機会が増えたら面白い。

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2 Comments

  1. Haegwan Kim
    Posted 2010/12/07 at 10:19 am | Permalink

    面白い記事ありがとうございました。

    クラウドファンドについて情報を集めていたところなので、とても訳にたちました。

    また寄らせていただきます。

  2. Posted 2013/06/09 at 12:54 am | Permalink

    クラウドファンディングの記事参考になりました。
    「こちらのページが面白かったのでチップを贈らせていただきます。何かお役立て下さい…」
    という弊社のサービスでも、同様の方法ができそうなので、検討してみます。

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